ここまで、「A:環境」「B:自社」「C:消費者」「D:競合」について、可能な限り数値化して考えてきました。
これらの数値を始めとする分析結果をまとめるのに便利なフレームが、次のSWOT分析になります。
SWOTとは、スウォットと読み、
S・・・Strength(強み)
W・・・Weakness(弱み)
O・・・Opportunity(機会)
T・・・Threat(脅威)
———の頭文字からきており、シンプルSWOT分析(図1)とクロスSWOT分析(図2)の2つがあります。
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分析としての材料は、Aの環境~Dの競合までで一通り揃っているため、まず、図1のシンプルSWOT分析各箇所を埋めていくことから始めます。
ここでのポイントは、「C:消費者」「D:競合」を基準にして考えることです。
例えば、強み(Strength)の場合、強みは「消費者が感じているもの」であるため、消費者に認識されているかどうか?という視点で考えることが必要です。
特に外部環境分析については「消費者」「競合」の2つに影響を与えるものに限定して分析を行います。
逆に言えば、「消費者」「競合」に全く関係のない外部要因は分析しても意味が無いということです。
また、強みは「競合と比べて」という相対比較で消費者が感じているものになります。
相対比較ですから、「競合より強いと思ってもらえばいい」ということになり、世界一や日本一でなくともOKということです。
逆に、自社が「強み」だと思っていても、「競合の方が自社よりさらに強い」と思われていれば「強み」とはいえません。
「消費者の視点」と「競合」との比較をおりまぜ、強み・弱みを考えるようにしましょう。
また、シンプルSWOT分析を行う場合は、外部環境から始めることが大切です。
先に「強み」や「弱み」から始めると、それにあわせた外部環境しか見えてこないからです。
図1:シンプルSWOT分析
シンプルSWOT分析ができれば、図2のクロスSWOT分析に進みます。
シンプルSWOT分析をクロスさせることで、積極的に展開すべき項目や撤退すべき項目が明確になります。
クロスSWOT分析の手順としては、
①強み、弱み、機会、脅威の4つの項目をシンプルSWOTから書き写す
②それぞれがクロスするマスに記載のある項目を考える
→積極的展開・・・どういったところにチャンスはあるのか?
→差別化戦略・・・どうやって強みを活かして脅威を克服するか?
→段階的施策・・・どうやって「弱み」を克服して機会をつかむか?
→守備or撤退・・・どういったところにリスクはあるのか?
クロスSWOT分析を考えるときにはロジカルシンキングに加え、頭を柔らかくし、斬新でユニークな発想が生まれるようラテラルシンキングを組み合わせることが望まれます。
図2:クロスSWOT分析
①SWOT分析を行う場合は、外部環境から始めることが大切で、先に「強み」や「弱み」から始めると、それにあわせた外部環境しか見えないからです。
②クロスSWOT分析を考えるときにはロジカルシンキングに加え、頭を柔らかくし、斬新でユニークな発想が生まれるようラテラルシンキングを組み合わせることが望まれます。 |