Ⅰ.マーケティングの変遷

マーケティングの変遷

マーケティング=売れるしくみづくり

業績向上にはマーケティング思考が不可欠です。

 

 

ここでは確認の意味で、一般的な「マーケティングの基本プロセス」について記載していますので、まずはマーケティングへの理解を再整理するところから始めましょう。

1.まずは「売上高」の向上を狙おう


業績が厳しくなってくると、経費削減に取り組む企業が大多数です。

 

 

経費を削減することも非常に重要ですが、それでは根本的な問題解決にはつながらず、「いつか行き詰る」ことになってきます(要は時間の問題・・・)。

 

 

小売業、飲食業、サービス業、製造業など、全ての商売の「源」は「売上高」です。

 

 

通常は「利益」を論じますが、まずは源泉たる売上高に目を向けることが大切です。

 

 

これは利益を軽んじているのではありません。

 

 

当然、利益アップは狙いますし、非常に重要なものです。

 

 

全ての商売の「源」は「売上高」と言っているのは順序の問題であり、粗利益も営業利益、経常利益も、そして当期利益も全て「売上高から生じている」からです。

 

 

例えば、P/L(損益計算書)で一番最初に現われる利益である売上総利益は、

 

 

売上総利益=売上高ー売上原価

 

 

で表されますが、この売上総利益ですら「売上高」が起点になっていないと計算もできないのです。

売上アップ

企業経営は現在の粗利率を維持しながら、「まず売上高を向上させる」ところから始めましょう。

 

 

利益拡大や経費削減はその次の段階です。

 

 

全ては「売上高」から始まっており、「売上高」は顧客数で決まります。

 

 

そのため、顧客視点を中心に据えた「マーケティング」を実施する必要があるのです。

2.マーケティングの変遷


それでは、マーケティングの基本プロセスに入るまえに、少しだけ「マーケティングの変遷」について見てみましょう。

 

 

マーケティングの神様と呼ばれるフィリップ・コトラー教授は2014年9月、「ワールドマーケティングサミットジャパン」で新しいマーケティングの概念である「マーケティング4.0」を発表しました。

 

 

「4.0?なら1や2、3もあるの?」と疑問に思われる方もいるでしょう。

 

 

その通り、マーケティングは1.0、2.0、3.0というように概念が変遷してきています。ここでそれぞれの概念を簡単にまとめてみましょう。

 

 

戦後まもなくから日本は目まぐるしい「戦後復興」を遂げ、高度成長経済を経験してきました。それに伴い消費者の生活様式も一変しました。

 

 

 例えば、家電製品の場合、3種の神器と言われた「冷蔵庫」「洗濯機」「テレビ」はそれまで無かった製品であったため、ほぼ全世帯がターゲットとなっており、「作れば売れる」という時代でした。

 

 

 その後、普及率が高まると「機能的側面」からの付加価値のついた製品が作り出され、その優れた機能を消費者に理解してもらうため、販売力が強化されたのです。

 

 

 この製販主導による「製品志向」がマーケティング1.0です

 

 

しかし、いくら販売力を強化しても「必要性を感じない」ものを消費者は購入しません。

 

 

そこで「いかに消費者に満足していただくか?」という考え方が必要になってきました。これは「モノありき」ではなく、消費者を起点として「買ってもらえるモノ作り」への発想転換です。

  

 

この「消費者志向」がマーケティング2.0です。

  

 

最近、中小製造業の方々が自社の技術力を駆使し、「今までのBtoBに加え、新たにBtoCのモノ作りを行い、消費者への直接販売を狙う」というケースが増えています。

  

 

しかし、多くの企業は残念ながらマーケティング2.0の視点に達しておらず、マーケティング1.0の段階でつまづいているのが現状だと言えるでしょう。

  

 

さらに、現在では市場環境の著しい変化や消費者のニーズも多様化しています。

  

 

それに加え、

  

 

・類似性の高い商品の増加

  

 

・SNSの普及による企業情報(ポジティブ情報、ネガティブ情報)の増加

  

 

・社会問題への関心の高まり

  

 

―――などが見られ、これらが製品の販売に影響を与えています。

  

 

そのため企業には「消費者志向でそのニーズを充足させたうえで、社会にどう貢献するか?」ということが求められています。

  

 

例えば、「地球温暖化」などの環境問題や「少子高齢化」などの社会問題に積極的に取り組むことで「消費者と協働して価値を生み出し、いかに社会全体をよくしていくか?」ということが挙げられます。

  

 

この「価値主導」がマーケティング3.0であり、現在はこの段階に当てはまっていると考えられます。

 

  

そして、マーケティング4.0は「マズローの欲求段階説」の最上位の「自己実現」です。

 

  

このサイトの役割は、起業を考えておられる方々に、

  

 

・消費者の「なりたい自分」に対する価値の提供

  

 

・潜在意識の顕在化・・・「新しい発見」の提供

  

 

―――の重要性を説明することで、「消費者自身も気付いていないニーズ」に答えていくことだと考えています。

マーケティングの変遷