5.「どうやって」買ってもらうか?

N.どこで販売するのかを決めよう

プレイスとコンビニエンス

Convenience(利便性)⇒Place(流通チャネル)


手順の3つ目は図1にあるように、流通チャネル⇔利便性であり、目的は「顧客への効果的な接触方法・商品提供方法を決める」ことです。

 

 

この項目も4P/4Cの他の項目同様、4Cの「利便性」⇒4Pの「流通チャネル」の順で顧客視点から考えることが大切になります。

図1:プレイスとコンビニエンス

プレイス、コンビニエンス

4PでのPlaceは流通チャネルと訳されていますが、通常の訳である「場所」という意味も含まれています。

 

 

流通チャネルとは「商品がメーカーから消費者へと流通する経路」のことであり、場所とは「店舗等での商品の展示位置」「サイトでの商品掲載位置」のことを表しています。

 

 

これを4Cの視点で考えると、

 

①この商品を購入する顧客(ターゲット)にとって、利便性が高いのはどのチャネルか?

 

②この商品を購入する顧客(ターゲット)にとって、発見しやすいのはどの位置か?

 

———といった内容が挙げられます。

 

 

①を具体的に言うと、顧客(ターゲット)の生活シチュエーションを考え、

 

・顧客にとって、リアル店舗での販売の方が利便性に優れているのか?

→その場合、利便性の高い営業時間は何時から何時までなのか?

→顧客にとって、利便性が高い取り扱い業種業態はどれになるか?

 

・顧客にとって、ネット通販での販売の方が利便性に優れているのか?

 

・顧客にとって、卸売り業を入れた方が利便性に優れているのか?それとも、直販の方がいいのか?

 

———といった販売ルートや販売形態をはじめ、立地~営業時間など、数多くの項目を「顧客にとって」という視点で考えることになります。

 

 

この顧客視点での考え方に加え、自社の資源、競合の状態を考慮することで全体最適の答えを出すことが大切です。

 

 

例えば、あなたの商品に対し、ターゲットの大多数が「買い物という体験を楽しみたい」や「実物を見てみたい」という要望を持っているとします。

 

 

自社としては資金面からリアル店舗を持つのが難しく、「ネット通販」を考えていたとしても、それだけでは販売台数が伸び悩む可能性が高くなるため、「メーカーと交渉し、ショールームを利用させてもらうよう交渉する」「持ち運び可能商品なら、サンプルの貸し出しをしてもらい訪販を掛ける」等の取り組みが必要になります。

 

 

ショールームを利用しての同伴営業やサンプルを持っての訪販なら、「1日何組の接客が必要で、成約率はどうなのか?」といった数値化も重要になってきます。

 

 

また、②では商品の露出と訴求を考える必要があります。

 

 

リアル店舗では、顧客が発見しやすい場所・位置を確認し、顧客の通行量が多いエンドでの展開や山積み訴求など、商品の存在に気付いてもらうことから始める必要があります。

 

 

一方、ネット通販ではホームページを使用するのか、ランディングページを使用するのか?ホームページなら、どのページに掲載すれば露出があがるのか?などを考慮することになります。

 

 

このように顧客視点で考えたことをベースに、自分が投入できる資源、そして競合の状態を合わせて考え、全体最適の答えを考えることが大切です。

 

 

また、チャネルや場所の確保は費用が掛かる場合もあります。

 

 

費用の概算を計算し、経費計画に組み入れることも必要です。

ここがポイント

①「流通チャネル⇔利便性」の目的は「顧客への効果的な接触方法・商品提供方法を決める」ことです。

 

②4PでのPlaceは流通チャネルと訳されていますが、通常の訳である「場所」という意味も含まれており、流通チャネルとは「商品がメーカーから消費者へと流通する経路」のこと、場所とは「店舗等での商品の展示位置」「サイトでの商品掲載位置」のことを表しています。

 

➂顧客視点で考えたことをベースに、自分が投入できる資源、そして競合の状態を合わせて考え、全体最適の答えを考えることが大切です。


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