メッセージとは「宣伝広告や営業・接客、POPなどで顧客の心理を衝くもの」で、商品の販売を促進させるものです。
このメッセージを作成するのに欠かせないのが「消費者インサイト」です。
この消費者インサイトは本来、「3.誰に買ってもらうのか?」の章(ターゲティング)の一節になりますが、ここではより明確なメッセージを発せられるよう、商品決定後の検討項目として説明しています。
インサイトとは、直訳すれば「洞察」になりますが、「売れるしくみ」での消費者インサイトとは「消費者自身も気づいていない無意識の本音や動機」のことで、顧客の今までの認識を大きく変化させ、「新しい発見」を与えたり、「予期せぬ将来の不都合」を想起させることで感情を大きく揺さぶるものです。
この消費者インサイトには2種類があり、
①「新しい発見」は、メッセージによって顧客に「えー、そうなんだ!」という、旧来の認識を覆すもので、顧客が全く知らなかった情報を提供して喚起するもの
②「予期せぬ将来の不都合」は、メッセージによって顧客に「えー、そんなことになったらどうしよう・・・」という、将来、取り換えしのつかない不都合が発生することに気付いてもらい、感情を揺さぶるもので、顧客が全く気付いていない「現状を放置すること」の不利益を示すことで喚起するもの
———になります。
また、この消費者インサイトは図1のようにベネフィットの手前にあるものです。
したがって、メッセージの役割は図1のように、消費者インサイトを呼び起こし、心を揺さぶり、解決後のベネフィットにつなげて成約を図るものになります。
図1:消費者インサイトとベネフィット
消費者インサイトを考える場合、ターゲットを明確にすることが欠かせません。
「H.どんな人に買ってもらうか決めよう」で記載したセグメント・ワンについて具体的に考えることが大切で、次のような項目(H節に掲載分と同じ)になります。
●名前、年齢、性別、住所、住居種類、家族構成、ペット
●職業、勤続年数、役職、通勤時間、年収、貯蓄額
●生活パターン(平日・土日祝の一日の生活)
●情報の収集源(インターネット・SNS・新聞・雑誌・テレビetc)
●パソコン等のITスキル
●趣味、価値観、好きなこと、興味のあること
●その他
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自社の設定した主要ターゲットが、自分の身近にいる人なら「その人」をセグメント・ワンとしてメッセージを考えるのが現実的です。
身近にいない主要ターゲットなら、上記項目を考えて人物像を決めることが大切ですが、いずれにせよ、このセグメント・ワンが「どういった生活をしているか?」「生活の中で(あきらめている)困りごとはどのようなことか?、気付いていない困りごとはないか?」「自社の商品がその困りごとを、どのように解決できるのか?」ということを考え、メッセージを作成することが大切です。
セグメント・ワンの設定やメッセージは、固定的なものではなく、成果が出なければ上記項目から考えた人物像自体が不完全か、間違っている可能性があるため、見直しすることも必要になってきます。
①メッセージとは「営業や接客、POPなどで顧客の心理を衝くもの」で、商品の販売を促進させるものです。
②「売れるしくみ」での消費者インサイトとは「消費者自身も気付いていない無意識の本音や動機」のことで、顧客の今までの認識を大きく変化させ、「新しい発見」を与えたり、「予期せぬ将来の不都合」を想起させることで感情を大きく揺さぶるものです。
➂メッセージの役割は消費者インサイトを呼び起こし、心を揺さぶり、解決後のベネフィットにつなげて成約を図るものになります。
④セグメント・ワンの設定やメッセージは、固定的なものではなく、成果が出なければ考えた人物像自体が不完全か、間違っている可能性があるため、見直しすることも必要になってきます。 |