2度目の緊急事態宣言が1都3県に続き、他の7府県にも発出されました。
飲食業やその関連企業をはじめ、給付対象外の多くの業種でも非常に厳しい状態が続いており、特に中小企業、個人事業者には死活問題となっています。
緊急事態宣言の発出には大きな疑問がありますが、そのこと自体を論じてもいかんともし難く、非常に悔しいだけのものになっています。
事業者の現状の課題を考えれば、
①客数の著しい減少
②借入金の返済猶予後の返済見通しが不透明
③新型感染症終息後の状況
———などが挙げられます。
今回はマーケティングでいう「外部環境」の影響が強烈であり、正直なところ、事業者だけの努力ではどうにもならない状況となっています。
この環境に逆らうことは非常に難しい為、事業者としては①と②の要因から「撤退」も視野に入れた戦略的判断をくだすことも必要になると考えられます。
置かれた状況によっては、東日本大震災・自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関の「新型コロナウイルス感染症に適用する場合の特則について」や「事業再構築補助金」などを検討することも視野に入れるといいでしょう。
各事業者の置かれた状況・保有資源等が違うため、「何をすべきか?」ということについて、軽々に一律な方法を示すことはできませんが、「メンテされた顧客リストを保有している事業者」は保有していない事業者よりも多くの手を打つことができます。
私が心配しているのは、緊急事態宣言~新型コロナ終息までの期間を何とか乗り切ったとしても、一昨年のように「お客様が戻ってくるのか?」ということです。
お客様が自社を利用しない大きな原因に「忘れられる」ということが挙げられます。
それも、悪気なく、ただ単に「忘れてしまう」ということです。
自粛により、今まで利用していた企業・店舗を使用しなくなったお客様が、平常に戻ったときに再び取引再開、利用してくれる保証はありません。
しかも企業・店舗を選ぶ権利は100%お客様が持っており、これは非常に怖いことです。
こういったとき、メンテされた顧客リストがあれば、忘れられないようアピールすることができますし、新しい取り組みを始めたときも告知することができます。
逆に言えば、新しい取り組みを始めたとしても、告知して認識してもらわねば効果が薄くなるということです。
例えば、飲食店の場合、今までの店内飲食や宴会が減ったわけですから、その分を埋めるため、テイクアウトや出前、店舗やネット通販での食材セットの販売など、新しい取り組みを始めたとしても「お客様に知ってもらわねば意味が無い」ということになります。
この告知、認識してもらうのに顧客リストは必要不可欠なものとなります。
しかし、顧客リストは一朝一夕にできるものではなく、時間が掛かります。
もし、「顧客リストがない」「メンテできていない」というのであれば、どのような業種でも営業している限り、すぐに作成に取り掛かることをおすすめします。
経営の目的は「顧客数の増加」であり、「呼びたいときに何らかの連絡先を知っている」という状態を作ることができれば、打つ手は広がります。
まずは、①連絡のつく保有顧客数を確認、②顧客リストのツールの検討、➂顧客の連絡先確保、④どういった内容を発信して集客するか、といった順で行動することが望まれます。