1.現状を調査する

D.競争相手について考えよう

●競合分析

競争相手

当たり前のことですが、売上高や利益は顧客からもたらされます。

 

 

特に利益は顧客からお金をいただいたときにしか発生しません。

 

 

その為、商売を順調に行うには「顧客の数」が必要になります。

 

 

しかし、どの業界にも競合(競争相手、商売がたき)があり、あなたの顧客を奪おうと身構えています。

 

 

また、この競合は同業だけにとどまらず、異なる業種(代替可能性含む)等にも及びます。

 

 

同業の競合はわかりやすいですが、異業種になると意識していない場合も多いので注意が必要です。

 

 

図1はリフォーム店を例にしたものですが、同業のリフォーム店以外に今では家電量販店やホームセンターでもリフォームを取り扱っていますし、訪問型販売の地域電器店や地元のガスショップなども参入し、競争は激化しています。

 

 

こういった競合は異なる業態で「リフォーム」を扱っているため、同じリフォーム店だけを意識するのでは不十分だと言えます。 

図1:例)リフォーム店の競合状態

同業の競合、異業種の競合

また、全く違った商品によって目的を代替され、商品が売れなくなる場合もあります。

 

 

例えば、図2にあるようにスマホと新聞の関係が当てはまります。

 

 

ただ単に「スマホで新聞の電子版を読む」という行為なら、電子版の料金は入るため、売上げは立ちます。

 

 

しかし、「通勤の車内などの持て余した時間に、昔は新聞を読んでいたのを、今はスマホでゲームをしたり、動画を見て過ごすようになった」というように、ライフスタイルに変化が起これば、新聞が買われなくなります。

 

 

これが代替商品による競合状態の発生で、見逃しやすくなるため、競合を考える場合は同一カテゴリーだけでなく、ライフスタイルの変化という視点を含めて考えることが大切です。

図2:違う商品によって代替される場合

スマホと新聞

競合調査の項目は業種によって変わってきますが、小売業を例にすれば下記のような項目が挙げられます。

 

 

●商品

→主力商品の型番、価格

→ボトム商品の型番、価格

→安さ感(カテゴリー全体、単品商品)

→カテゴリー別のアイテム数

→セット率(カテゴリー別 etc)

 

 

●店舗情報

→売上高

→売場面積(カテゴリー別含む)、倉庫・バックヤード面積、施設全体の面積

→駐車場の駐車可能台数

 →駐車場の便利さ(物理的な入りやすさ etc)

 

 

●従業員情報

→トータル従業員数

→カテゴリー別従業員数(レジ人数も含む)

→ヘルパー(メーカー派遣社員)数

→販売員の印象(清潔感、接客応対、商品知識 etc)

 

 

●プロモーション関係

→インストアプロモーション(メーカーキャンペーン、自店イベント etc)

→サービス訴求のわかりやすさと内容(サービスの種類、サービスの条件 etc)

 

 

●その他

 

 

こういった目に見える事柄を収集し、「なら、自社はどうしていくか?」という作戦を立てることは非常に重要ですし、現実に多くの店舗ではこういった内容(特に型番と価格)の調査にしています。

 

 

しかし、さらに重要な項目があり、次の内容になります。

 

①競合は消費者に「何に強い企業」と思われているか?

 

②競合の主力のカテゴリーでは、何が消費者の購入の基準になっているか?

 

③競合は消費者にどのような価値を提供しているのか?

 

これらは「消費者がどう感じているか?」という、消費者の頭の中での話になります。

 

 

 これは「見るだけではわからない内容」のため、前項「C.消費者について考えよう」で記載した考え方が必要になってきます。

 

 

消費者のことを知り、消費者のことを考え、消費者の中で「自社と競合企業とがどう思われているか?」ということをつかむことが、「競争相手を知る」うえで一番重要なことになります。

 

 

また、「売れるしくみづくり」において「数値化できるものは全て数値化する」ということが大切です。

 

 

競合に関する項目は数値化できる項目も多くあります。

 

 

数値化できるものは全て数値化し、正確な数値で競合と比較し、分析するようにしましょう。

ここがポイント

①商売には「顧客の数」が必要ですが、どの業界にも競合があり、あなたの顧客を奪おうと身構えているため、競合を知ることが大切です。

 

②競合は同業だけにとどまらず、異なる業種や業態も調査対象になります。

 

➂代替商品による競合状態の発生にも注意を払いましょう。

 

④店舗面積や従業員数などの物質的なものだけでなく、「消費者がどう感じているか?」という、消費者の頭の中のイメージを考えることが重要です。


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